自律神経の乱れと鍼灸施術による対策

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自律神経の乱れによる症状や原因の解説、私たちの考え方や改善、治療方法などをまとめています。

自律神経失調症(自律神経の乱れによる不定愁訴)とは?

ストレスなどが原因で、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状を「自律神経失調症」と呼びます。自律神経失調症というのは公式な病名ではありません。
 

 

自律神経とは?

自律神経は私たちの生命活動を24時間365日支え続けています。交感神経と副交感神経で構成されており、心臓や呼吸、内臓器官のすべて、特に血管をコントロールしています。このように私たちの生命活動を支えている自律神経のバランスが良いということが心身の健康において重要です。
 
 
 

なぜ自律神経は乱れるのでしょうか?

現代社会を生きる私たちは常に自律神経を乱す要因に囲まれて生きています。
外からの影響
気温、湿度、気圧、光(スマートフォンのブルーライト含む)、スマートフォンやパソコンの長時間使用
内からの影響
ホルモンの変化、妊娠、月経、出産、精神的ストレス、身体的ストレス(不眠、過労など)
その他
食生活の乱れ、虚弱体質、不規則な生活、運動不足、姿勢不良、浅い呼吸、加齢
 

加齢とともに自律神経の乱れは起こりやすい

個人差はありますが10代、20代は自律神経が乱れても、副交感神経の働きも強いため、一時的に交感神経が高まっても理想のバランスに戻すことができます。しかし、男性は30代、女性は40代を境に急激にその働きが弱まり、自律神経のバランスが乱れがちになり、自律神経のバランスが乱れがちになり、回復させるのも大変になってきます。
 
 

自律神経の乱れによる不調とは?(身体面)

交感神経優位になると血流が低下するため、疲れやすくなり、不眠へ繋がります。また、脳神経にも副交感神経があるため、ドライアイやドライマウスの症状がみられることもあります。首や肩の筋肉は一部、脳神経に支配されているため、首や肩の凝りや痛みを感じやすくなります。

・体が疲れやすい
・吐き気・脳疲労を感じやすくなる
・肩や首、背中の凝り、痛み・眠れない
・動悸や息切れ・便秘または下痢
・目の疲れやドライアイ

・食欲不振・口の渇き
・慢性的な疲労
・だるさ
・めまい
・偏頭痛

・ほてり
・微熱
・耳鳴り
・手足のしびれ
・口やのどの不快感
・頻尿、残尿感

自律神経の乱れによる不調とは?(精神面·美容面)

(精神面)

・不安
・イライラ
・悲しい気持ちになる
・やる気が無くなる
・判断力、決断力の低下
交感神経が高まりすぎたり、副交感神経の働きが低下することで、精神面にも様々な影響がみられます。

(美容面)

・しわ
・くすみ
・肌荒れ、乾燥
・たるみ
自律神経が乱れると、肌の生まれ変わりであるターンオーバーも低下するといわれています。また血行不良になることでくすみや表情筋の老化のきっかけにもなります。

自律神経のバランスを整える方法

 

体内時計を整える

毎日同じ時間に起きて朝日を浴び、休日も平日と同じ時間に起床しましょう!規則正しい生活リズムの確立は健康のために欠かせません。就寝90分前からはスマホやPCを使わないことも大切です

運動習慣

ウォーキングやランニングのような軽い有酸素運動をしましょう!日中に体を動かし、交感神経を適度に刺激することも大切です。

昼寝を取り入れる

昼寝を取り入れられる方は、15~20分の昼寝を取り入れてみましょう。夕方の昼寝は避けましょう。昼寝前にカフェインを摂ると目覚めやすいです

入浴

就寝2~3時間前に40度以下のお湯で20分程度入浴することをおすすめします。体が温まることで、筋緊張が緩和され、血の巡りが良くなります。

バランスの良い食事

バランスの良い食事を心掛け、カフェインとアルコールの摂取に気を付けましょう。人は朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。人体に元々備わった、覚醒する力を損なわないために、覚醒作用のあるコーヒーは朝起きてから90分以降に摂取しましょう。

睡眠時間の確保

日本人は世界で一番睡眠時間が少ないといわれています。睡眠不足は様々な病気のきっかけになります。睡眠環境を整え、吸湿放湿性に優れた寝具、遮光カーテンを活用しましょう。夏は室温25~28度、冬は18~22度、湿度は50~60%が理想です。

鍼灸を取り入れる

鍼灸の施術は必ず自律神経に働きかけ、ホルモンの分泌を促し、様々な疾患に効果があることが研究で報告されています。

なぜ鍼灸(頭皮鍼)が自律神経の乱れに良いのか?

鍼灸の刺激は必ず自律神経に働きかけます。頭皮に鍼を行うことで、低下した副交感神経の働きを高め、身体をリラックスした状態に導きます。鍼の刺激により、体の筋肉は緩み、血行が促進します。また、内臓を支配する自律神経にも働きかけ、乱れた自律神経を整えていきます。鍼の刺激は脊髄、脳へ伝えられ、脳からホルモン(内因性オピオイド(Bエンドルフィン等)セロトニン、ドーパミン)の分泌を促します。また、鍼の刺激は「脳の血流増加」、「免疫力」や「自然治癒力」を高める効果が研究で確認されており、アメリカのハーバード大学でも様々な研究が進んでいます。

 
 

その他にも鍼灸施術で下記の効果が期待できます。
・自律神経の副交感神経に働きかけ、リラックス効果が高まる
・脳の血流が増加することで、脳疲労の軽減へ
・顔の血流が増加することで、眼精疲労や筋収縮性頭痛に効果がある
・自然治癒力や免疫力を引き出す効果
・睡眠の質を高める
・うつ症状の軽減
鍼灸は科学的にもその効果や作用が解明され、世界中で活用されています。ぜひ、この機会に鍼灸を取り入れてみませんか?定期的に施術を受けることが重要です。