不眠症と鍼灸施術による対策

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不眠症の症状や原因の解説、私たちの考え方や改善、治療方法などをまとめております。

睡眠について

質の高い眠りは心身の休養のために欠かすことができません。睡眠不足や睡眠障害による休養不足は心身に悪影響をもたらします。
 
 

私たちはなぜ眠る必要があるのでしょうか?

人は眠っている間に、心身を休息させ、体や脳の機能の修復、整備を行っています。これが眠らなければいけない理由です。脳は全身の20%のエネルギーを消費し、老廃物が作られます。
 
その老廃物を睡眠中に除去することで、翌日、スッキリと目覚めることができます。十分な睡眠がとれていないと、「脳疲労」の原因になります。また、起きている間の情報を整理し、必要な情報を記憶したり、不必要な情報を消去することで、脳内のネットワークを最適化しています。
 
しかし、充分な睡眠がとれず、短時間睡眠や不眠が続くと、強い日中の眠気・作業能率や注意力の低下・抑うつなどが出現し、結果的に人為的ミスの危険性を増大させたり、様々な病気のきっかけになります。
 
以上の事から、人は眠る必要があるのです。
 

日本人には睡眠不足が多い

OECDによる2021年版の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、33カ国の中で最も短かったと報告されています。厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男性が37・5%、女性は40・6%となっているそうです。日本人の睡眠時間は過去20年間にわたり減少を続けています。

睡眠不足のリスクとは

睡眠不足は下記の影響があります。

・アルツハイマー型認知症の発症
・精神状態への影響
・生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)のリスクを高める
・免疫力低下
・成長ホルモン分泌不足による成長や組織修復力の障害
・うつ病のリスクを高める
・認知機能の低下・慢性的な心身の疲労感(脳疲労を含む)
 
 

不眠症の種類とは?

不眠症とは「入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒」などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が出現する病気です。一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いといわれています。また、不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%にみられます。
 
①入眠障害:夜眠ろうとしても、なかなか寝つけない
②中途覚醒:眠っても、何度も目が覚めて熟睡できない状態。
③熟眠障害:目覚めても疲労感があり、熟睡できていない状態。
④早期覚醒:朝早く目覚めてしまい、その後眠れない状態。
 
これらの不眠を解消するためには、まずは不眠の原因を見定める必要があります。
 

不眠症の診断基準とは

不眠症の診断基準は以下になります。
①不眠と日中の不調が週に3日以上続く。

・3カ月以上続く場合:慢性不眠障害
・3カ月未満の場合 :短期不眠障害
②日中の機能異常やQOL低下がみられる。
③睡眠困難に関連した多彩な心身の不調を訴える。

※不眠症状のみで生活機能障害がない場合には不眠症と診断されません。

加齢による睡眠の変化とは

年齢とともに睡眠は変化します。健康な高齢者の方でも睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加します。加齢による体内時計の変化によって睡眠に係る体温やホルモン分泌などの生体機能リズムが早い時間にずれてしまうことが原因とされています。また、高齢者は深い眠りのノンレム睡眠の時間が減り、浅いレム睡眠の時間が増えます。 睡眠中の途中覚醒も多くなり、全体的に浅い眠りとなります。そのため、高齢者の方は、中途覚醒と早期覚醒が多いと言われています。
 
 

不眠の原因

主に5つの原因に分けられます。
 

①薬理学的要因

アルコール、カフェイン、ニコチン、ステロイドなどの影響で不眠になっている場合。

②生理学的要因

光、騒音、不快な温度(蒸し暑い等)、時差ボケなどの場合。

③身体的要因

疼痛性疾患、発熱性疾患、痒み、頻尿、呼吸器疾患などの場合。

④心理学的要因

ストレス、緊張、家族の死、結婚、出産、金銭面、仕事でのトラブルなどの場合。

⑤精神医学的要因

うつ病、統合失調症、不安障害、PTSDなどの場合

①の場合は、生活習慣の見直しで改善する可能性があります。また、②に関しましても、寝室の環境の見直し(遮光カーテンやアイマスクの利用)や、エアコン、除湿器、加湿器などを上手に活用することで改善する可能性があります。
 
③に関しましては、基礎疾患の治療と専門医に相談することが重要です。また、④に関しましては、ストレスの原因となっているものを解決するか、解決できない場合は、上手にストレス解消法を見つけることも大切です。身近な人に相談するだけでも気持ちが軽くなることもあります。
 
⑤に関しましては、治療中の場合、自己判断で服薬をやめたりせずに、かかりつけの医師に状態を相談しましょう。その他にも「運動不足、乱れた生活習慣、不規則な生活(体内時計の乱れ)、スマートフォンの長時間の使用、加齢」なども不眠のきっかけになります。
 

なぜ不眠に鍼灸が良いのでしょうか

鍼の刺激は「自律神経」に働きかけ、「免疫力」や「自然治癒力」を高める効果や「リラックス効果」があり、睡眠の質の改善や頭皮の血行促進に効果的です。
 
当店では、ドライヘッドスパで頭の筋をほぐし、その後に頭に鍼(微弱電流付き)を行います。鍼を行うことで、その刺激は、皮膚から脊髄、脳へと伝わり、脳への血流増加、脳内ホルモン(内因性オピオイド物質( βエンドロフィン等)、セロトニン、ドーパミン)等を分泌を促します。

その結果、副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを整えることでリラックス効果が促進、眠くなりやすい状態に導かれていきます。※1
 
 

脳の血流を増加させる

また、お顔に医療機器を使用し、微弱電流を流すことで脳の血流が増加し、脳疲労の改善にも期待できます。
 
(※三叉神経第一枝(V1)領域に対する鍼通電(EA)が副交感神経活動を亢進させ、両側の脳血流量を増加させる結果が研究によって報告されています。)
 
 

頭には、たくさんの経絡経穴(ツボ)があります。患者様に合わせて、刺激量を調節し、心地よいお時間を提供します。施術の頻度に関しましては、定期的に行うことをお勧めしています。
 
以上のように質の高い睡眠を手に入れるためには、日々のセルフケアに加え、心身を癒す鍼灸施術も大変効果的です。是非、皆様のご来店を心よりお待ちしております。
 

不眠の原因と種類/鍼灸による対策について(youtube)

動画でも不眠について紹介しています。動画が良かったら是非、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いします。
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